「族」議員は、政策立案権を官僚から国民の代表である国会議員へと移したという点では、評価できるしくみだといえました。ところが「政官財」といわれる癒着の構造で政策が決まってしまい、国民全体の立場からの政策が作られなくなってしまったことが大きな問題点です。
また、実際には一部の有力な「族議員」たちの「密室談合」によって政策が決められてしまうわけですから、国民の政治不信は増大するばかりです。小泉政権時代に、このような政治を打破するため、党主導の政策立案システムを改め、内閣主導の政策立案システムにしようとして、特殊法人は全廃か民営化。とぶちあげ、内閣主導の「トップダウン手法」で、反対する族議員を「抵抗勢力」とし、民営化に抵抗する族議員に「刺客」を放つという荒業を用い、国民の喝采を受けて総選挙で大勝して郵政民営化を行いました。しかし、郵政には利権がほとんど絡んでいなかったのと、郵政が独立採算だったので、民営化がしやすかったのも事実です。後を任された安倍政権も改革を叫び、参議院選挙に臨みましたが、年金問題と若さと経験の不足によって、参議院選挙に惨敗して自ら退陣する事となったのです。もしも、安倍政権が参議院選挙において、年金問題で厚生労働省の特殊法人の民営化と全廃を叫んでいたら、安倍政権は大敗していただろうかと思うが、いかがでしょうか。次の総理を選ぶ総裁選挙で、声高に改革を叫んだ麻生太郎が総裁に選ばれなかったのは「族」主導の政策立案システム(利権)を是が非でも守るために族議員が抵抗したからです。族主導か、内閣主導か。議院内閣制では、党の代表である内閣と党は一体であるべきもので、政策も両者が一体となって作るのが自然です。しかし、自民党が何十年も政権の座にいることにより、政策を野党と競い合うことがなくなって、政策は、自民党内部の「族」同士の競争に用いられるようになってしまったのです。
道路特定財源やガソリンの暫定税率も、自民党が与党であるという状況のもとで、議論は自民党の中だけで行われ処理されるはずでした。しかし、安倍政権が参議院選挙に大敗して、衆議院と参議院で議員の数がいわゆるねじれ現象を起こし、道路特定財源の国土交通省と特殊法人の無駄遣いを指摘され、ガソリンの暫定税率の撤廃を求められて、福田政権は窮地に追い込まれている。ファイアーと叫んでいた司会者が「雑巾をねじったら水がでるが、国会がねじれたらガソリンが安くなった」と言っていたが、自民党が数年おきに野党になってしまう状況だったらどうでしょう。
野党になってしまったら、政策を立案しても実行することはできず、政策立案権を失って、自民党内で「族議員」にわかれてしのぎをけずってもムダなことになります。官僚や業界が自民党の「族議員」を利用し、頼りきる構造もなくなるでしょう。政策を与党と野党が競い合い、国民が政策を選択できる政治環境が出来れば「族議員」という盾を失った不要な特殊法人が淘汰されて血税の無駄遣いがなくなるでしょう。
2006年度の独立行政法人に対する
事業発注と補助金・交付金は合計で12兆6047億円でした。
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