「日帰りカツオ」20分の沈黙
松山空港近くの南吉田町の畑の中に飛行機が入る掩体壕が残っているが、この紫電改が入っていたのかも知れない。平和への語り部として展示されている遺影に思わず手を合わせる。展望タワーは、宇和海が360°眺望抜群でなかなか楽しい。御荘との間に、海上ロープウェイがあった。観光資源として残して欲しかったが、3年まえに廃止になっていた。他にも観光客が来ていたが、言葉の語尾に「き」とか「きに」が付く。愛南町は愛媛の一番南。高知の宿毛が近いので、高知弁が混ざっている。作兵衛さんに「日帰りカツオ」が待ちよるで、と急かされバスは一本松温泉に向かった。作兵衛さんがしきりに「待ちよれよ」と言って、たらふく食べてやるぞっと気合を入れている。いざ「幻の日帰りカツオ」である。友人がよく行くという鮨屋の二階に上がった。直径70センチ程の皿に「幻の日帰りカツオ」がこれでもかと盛られている。日帰りカツオは1匹5・6Kgのかつおをいうが、頭から尾まで7・80センチはある。普通、皿鉢料理は色々と食材が盛られているが、3皿とも全部「かつお」である。
ビールで乾杯したが、その後は、皆、黙々と食べている「美味い」。20分ほどの沈黙の後「これなら嫁を質に入れるどころか、売ってでも食べたい」「買い手がおらんじゃろ」「逆に放されるんぞ」と冗談話と笑い声が聞こえた。店主が檜扇(ひおうぎ)貝を持ってきた。「友達がつくりよるんよ、愛南の一押しじゃき」ホタテより少し甘くてこれも「美味い」
店主が話しだした。「相撲の豊ノ島は宿毛の出身で息子の同級じゃき応援してよ」元記者さんが「長い名前の学校があったが近くですか」店主が答えた。「高知県宿毛市愛媛県南宇和郡愛南町篠山小中学校組合立篠山小学校と中学校よ」「地元じゃ篠山小、篠山中というけんど」私は思った履歴書に、正式名称を全部書くのだろうか。(つづく)
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